アダルト豆知識
DV(ドメスティック・バイオレンス)
●概要
近親者に暴力的な扱いを行う行為・ないしは暴力によって支配する行為全般を、このように呼ぶが、ここでいう虐待には以下の種類がある[1]。
身体的虐待?
殴る・蹴る・物品をぶつける・火傷などの外傷を負わせる、などといった一方的な暴力行為。
精神的虐待?
恫喝したり日常的に罵る・無視するなど。ストレスとなる行為を繰り返し行う。
性的虐待?
性交の強要・一方的な行為で、近親間強姦とも呼べる。
経済的暴力?
仕事を制限する、生活費を入れない。
社会的隔離?
近親者を実家や友人から隔離したがる。電話や手紙をチェックする。外出を妨害する。
男女の取り扱いについては、欧米では古くから女性側からの暴力に関しても関心が寄せられている。日本では女性が被害者になることが多いことから女性への配慮が重点的に行われていた[2]。しかし、相談件数等の増加などから、次第に男性への暴力も注目されるようになっている。
これら「近親者からの暴力」では、「夫婦喧嘩は犬も食わない」と言われ、警察は「民事の問題」として介入に消極的であった。しかし、法律の施行をきっかけに対応を変え、介入する動きも出てきた[3]。
●法律
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(通称:DV防止法、配偶者暴力防止法)が、2001年10月に施行された。他には、ストーカー行為等の規制等に関する法律(通称:ストーカー規制法)などにより、元夫婦などの行動の規制等が行われる。
相談件数等の状況
「配偶者からの暴力事案の対応状況について」(警察庁)によれば、相談件数は以下のとおり。
相談件数の推移(単位:件)
平成14年14,140
平成15年12,568
平成16年14,410
平成17年16,888
平成18年18,236
平成18年の内訳については
「被害者と加害者の関係」については、「婚姻関係」が72.8%
「被害者の性別」については、「女性」が98.8%
となっている。
また、裁判所からの被害者の保護命令通知も増加している。ただし、保護命令については、相手を恐れて申請しない被害者も多い[4]。
●被害者の状況
平成17年度に行われた「男女間における暴力に関する調査」(内閣府)によれば
全体の26.1%が被害を経験 女性の33.2%が被害を経験
男性の17.4%が被害を経験
となっている。
●被害内容については、
「身体に対する暴行を受けた」 女性26.7%、男性13.8%
「恐怖を感じるような脅迫を受けた」 女性16.1%、男性8.1%
「性的な行為を強要された」 女性15.2%、男性3.4%
となっている。
また、「別居後も追跡をされた」「(別居したことにより)収入が不安」なども報告されている[4]。
●男性の相談状況
上述したとおり、被害者の多くは女性であることから、ドメスティック・バイオレンスは女性を主な被害者としてとらえられている。しかし、男性の被害の相談も年々増加しているという[6]。
自治体の対応では、北海道が女性による男性の殺人事件に発展した事例もあったことから、全国の自治体としては初めて男性の一時保護の検討を始めている[6]。ただし、まだまだ男性の相談に対応できない自治体が多く、一時保護等も行われてはいない。
●解決に向けた取り組み
具体的な方策
たとえ配偶者間や恋人同士であっても、外傷を負わせるほどの暴行や精神疾患を患うほどの精神的苦痛を加えた場合は当然暴行罪や傷害罪の対象となり、無理矢理性行為を強要すれば、強姦罪に該当しうる(鳥取地決昭61.12.17)。
しかしローマ法以来の家族観や、司法機関の介入により関係が破綻することへの危惧、犯罪性の認識の欠如などのため、「近親者からの暴力」について刑事介入がなされることは従来稀であった。また、離別しようとしても強引に連れ戻されるなどしてしまうことが多い、女性が被害者となった場合女性側の生活力が乏しいことが多い、近親者による暴力そのものが持つ依存的構造(共依存など)などのため、被害者が泣き寝入りする結果となってしまう傾向があった。米国では1970年代後半から女性の権利闘争やいくつかの致死事件により、近親者からの暴力が耳目を集め、ドメスティックバイオレンスの概念が創られた。
これに対し、現在は徐々にDVを不法行為と認める裁判例が出始め、NPOなどによる被害者保護活動も活発化してきている。日本でも2001年10月より配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律が施行された。
また、加害者は一種の精神疾患であるとして、治療やカウンセリングの対象として捉えるアプローチも試みられている。
